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健康処方箋 column

輔仁薬局健康処方せん【 骨の検査はしていますか? 】

【 骨の検査はしていますか? 】

author:輔仁薬局明野店 薬剤師 北崎 彰久
published in:大分合同新聞令和2年4月掲載  No.140

骨密度の検査をされたことはありますか。骨密度を測ることで自分の骨がどのような状態か客観的な数値でわかります。
日本の骨粗鬆症の患者数は、10人に1人の割合でいると言われています。骨粗鬆症予備軍も含めるとさらに割合は増えます。また平成 28 年国民生活基礎調査によると「骨折・転倒」は、要介護度が最も高い要介護5の介護が必要になった主な原因の3位となっています。(要介護4も3位です。)

骨密度は20歳前後をピークに加齢とともに低下してきます。骨密度が低下するスピードは人それぞれで、様々な要因が関わってきます。骨密度の低下は生活習慣の見直しで緩やかにすることができます。

最も手軽に変えることができるのは食事です。「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、骨量を維持するために必要なカルシウム量として、推定平均必要量及び推奨量が設定されています。数値は年齢毎に異なるのですが、成人男性で1日推定平均必要量600~658mg・1日推奨量720~789mg、成人女性では1日推定平均必要量517~556mg・1日推奨量620~667mgの範囲で設定されています。

ただカルシウムだけを摂取しても吸収が良くないので、ビタミンⅮを一緒に摂取すると良いでしょう。またビタミンⅮは日光にあたることで体内でも作られるので適度な日光浴も効果的です。骨は負担をかけるほど、より骨芽細胞が活発に骨を作るので適度な運動が必要です。しかし運動に時間を割くのは難しい方もいますし、今は外出を控えている方も多いと思います。そのような方には1日30~50回程度の「かかと落とし運動」をおすすめします(腰や膝に疾患がある方は、医師に相談を)。ゆっくりとしたペースで直立の姿勢からつま先立ちをして、そのままかかとを地面に下ろすだけです。この運動は骨に負担をかける運動で体重の数倍の力がかかります。継続することで骨が強くなると研究結果が出ています。

 骨密度は外見では判断できません。治療薬もありますし、骨密度の検査をされてはいかがでしょうか。自分の足で健康に歩ける健康寿命を延ばすためにも、生活習慣を見直すことは大切です。
 それではお大事に

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