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健康処方箋 column

輔仁薬局健康処方せん「シップ」の違い

「シップ」の違い

author:ほじん薬局 佐伯店 薬剤師 紀 雅之
published in:大分合同新聞令和1年8月掲載  No.136

皆さんの多くは、シップを使ったことがあるのではないでしょうか。ただシップにはいろいろな製品があり、どのような違いがあるか知っている方は少ないのではないでしょうか。今回はシップの違いと注意点を説明したいとおもいます。

まず剤形の違いでシップは「パップ剤」、「テープ剤」の2種に分ける事が出来ます。
パップ剤は水分を多く含み、プルプルとした感触です。粘着力が弱いが、かぶれにくいという特徴があります。その為、背中や腰など、広くて動きが少ない部位に向いています。
テープ剤は薄くて伸縮性があります。粘着力が強いが、はがす時に皮膚への負担が大きくなり、かぶれやすくなるという特徴があります。その為、関節などの可動性の高い部位に向いています。

さらにパップ剤、テープ剤それぞれに冷感(非温感)タイプ、温感タイプがあります。
テープ剤の冷感(非温感)タイプは局所を直接冷やす作用はなく、メントールの成分により冷たく感じます。パップ剤は、テープ剤同様メントールの効果に加えて、水分を多く含む剤形のため冷たく感じます。
温感タイプも直接温める作用はなく、含まれるトウガラシ成分のカプサイシンなどが、毛細血管を拡張し血流を促進し、それにより温かく感じます。冷感シップと比べると成分の影響でかぶれやすいです。特に入浴前後は気を付けましょう。
 以前は、冷感シップは熱や腫れがある急性期、温感シップは熱や腫れの引いた慢性期といった使い分けがありました。ただ現在は、どちらにも消炎鎮痛成分が含まれているので「冷たい方が気持ち良いから」といった理由等で使い分けていることが多いようです。

シップは貼るだけの手軽な薬ですが、当然副作用が出ることはあります。貼っただけで症状が出る接触性皮膚炎、成分によっては、貼った部分に紫外線が当たることで症状が出る光線過敏症等があります。特に光線過敏症は貼っている間だけでなく、はがした後も少なくとも4週間は注意が必要です。今一度、ご自身の使われているシップの注意書きを確認してみると良いでしょう。またシップによっては、消炎鎮痛成分の体への吸収が良いため一緒に使用する飲み薬にも注意が必要なものもあります。以上のような注意点があるため、他人にシップをあげたり、他人からシップをもらったりするのは止めましょう。そしてご自分に合ったシップを使用しましょう。

それではお大事に。

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