歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。成人の約8割がかかっているという調査結果もあるため、身近な病気のひとつだと言えるでしょう。歯周病の予防と治療の最大の目的は、歯が失われるのを防ぎ、お口の機能を維持することになります。ところが、近年さまざまな研究結果から、歯周病が全身の病気に関わっていることが知られてきました。動脈硬化などの血管系の病気、肺炎などの呼吸器系の病気などに関わっている場合があり、また、妊娠中には早産や低体重児出産のリスクを高めることが報告されています。つまり、口の中だけではなく、全身の健康を守るためにもお口の健康が重要であることが分かってきたのです。
歯周病のセルフチェック(※1)をしてみましょう。
・朝起きたとき、口の中がネバネバする。
・ブラッシング時に出血する。
・口臭が気になる。
・歯肉がむずがゆい、痛い。
・歯肉が赤く腫れている。
・かたい物が噛みにくい。
・歯が長くなったような気がする。
・前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間がでてきた。食物が挟まる。
〇上記の項目3つあてはまる
油断は禁物です。ご自分および歯医者さんで予防するように努めましょう。
〇上記の項目6つあてはまる
歯周病が進行している可能性があります。
〇上記の項目全てあてはまる
歯周病の症状がかなり進んでいます。
※1出典:http://www.jacp.net/perio/about/ 日本臨床歯周病学会より(検索日:2017年2月28日)
歯周病の予防には、普段の生活から気をつけることが大切です。
食事はよく噛んで食べましょう。よく噛むことで唾液がたくさん分泌され、細菌を洗い流してくれます。満腹感が得られるので食べすぎの防止にもなります。また、毎日の適切なブラッシングで食べかすや歯垢(プラーク)を取り除くよう心がけましょう。歯と歯の隙間には歯間ブラシの使用が効果的です。薬局では虫歯予防に効果的なフッ素が入った歯磨き粉や洗口液の取り扱いをしています。2015年からは医療用と同じ成分が入ったフッ素洗口液(要指導医薬品)が販売されるようになりましたので、ご興味がある方は一度ご相談ください。
それでは、お大事に。