輔仁薬局

健康処方箋 column

輔仁薬局健康処方せん子供の「とびひ」

子供の「とびひ」

author:ほじん薬局片島店 薬剤師 松永 康臣
published in:大分合同新聞平成28年10月掲載  No.119

 小さな子供に多く見られる「とびひ」についてのお話です。「とびひ」という名前は、一般的によばれる通称で、正式な名前は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」と言います。「とびひ」を発症すると、かゆみの強い水ぶくれやただれができます。できた水ぶくれは破れ易く、中から出て来た滲出液(しんしゅつえき)が手を介して体の色々な場所に広がっていきます。この火事の飛び火のようにあっと言う間に広がる様を例えて、「とびひ」と呼ばれるようになったそうです。「とびひ」には水疱性・痂皮性(かひせい)の2つの種類がありますが、今回は子供に多い水疱性膿痂疹(以下、「とびひ」と称す)についてお話しします。

 「とびひ」は、あせもや虫刺されなどを引掻いたりしてできた傷や、すり傷などにブドウ球菌が感染する事で発症します。また、鼻を触る癖のある子供では、鼻の穴の入口にブドウ球菌がいる為、鼻の周囲から発症が始まったり、鼻を触った手であせもや虫刺されなどを引掻いて発症したりするケースもあります。

 発症してしまったら、医師の診察を受ける事の他に、皮膚に傷をつけないように爪を短く切ったり、皮膚を清潔に保つために手洗いや入浴をさせたりする事も必要です。夏は汗をかく為に特に入浴が必要です。入浴時には、湯ぶねにつかるのではなくシャワーを使用し、泡立てた石鹸で患部をそっと丁寧に洗い流すようにしましょう。また、兄弟姉妹がいる場合は、ほかの子供達のあとに入浴させて、タオルなどの共用も避けましょう。入浴後は滲出液などが周囲に接触しないようにするため、医師から処方してもらった軟膏を塗ったり、ガーゼを貼ったりするなどの処置も行いましょう。

 登園登校については、基本的には医師の判断によります。治療を受けて病変部をガーゼ等で覆い、露出しないようにすれば登校可能になる事が多いようです。園や学校により独自にルールを定めている場合もあるので確認しておきましょう。

それでは、お大事に。

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