今回は鍋の季節に活躍する食材、「春菊」について紹介します。
地中海沿岸が原産で、春に黄色の花を咲かせ、葉の形が菊に似ているため、「春菊」という名前がついています。
しかし、あの独特な香りと苦みで苦手な方も多いのではないでしょうか?そんなくせ者の「春菊」ですが、栄養価の高い緑黄色野菜です。β-カロテンの含有量はほうれん草以上。ビタミンB2・E、カルシウム・鉄分なども豊富です。強い抗酸化作用のあるβ-カロテンは、粘膜や皮膚、免疫機能を正常に保ったり、視力を維持したりするために必要な栄養素です。カルシウムや鉄などのミネラル類は骨粗鬆症・貧血の予防等に効果があります。
β-カロテンは、熱に強く、油やタンパク質とともに食べると吸収率が高まるため、調理にごま油やオリーブ油を使ったり、豚しゃぶにしたりすると、効率的に栄養を摂ることができます。
また、独特の香りの正体は、α-ペネン、ペリルアルデヒド等の成分からなり、食欲の増進、胃もたれの解消、消化促進などの働きがあります。春菊の苦みの成分は、葉の部分に含まれているポリフェノール類です。「苦味」という味覚は多くの毒物が苦いことから、食べてはいけない有害物のシグナル=不快な味と感じられ、本能的に避けられるものですが、調理の工夫次第でこの苦味を抑えることができます。
ポイントは、加熱時間。茎の部分は加熱をしても苦みが増すことはないので、しっかりと加熱をしましょう。葉の部分は加熱時間が長くなると苦みが増す為、さっと火を通す程度(約10秒)の加熱で十分です。あらかじめ葉と茎を分けておき、鍋に入れる場合、葉はしゃぶしゃぶする程度でおいしく食べることができます。
一つの食品に偏ることなく、様々な種類の食品を取り入れ、旬の食材をおいしくいただきましょう。規則正しい生活、バランスの良い食事、適度な運動と、十分な休養・睡眠が基本です。
それではお大事に。