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健康処方箋 column

輔仁薬局健康処方せん『骨粗しょう症』 ~日常生活でのポイント~

『骨粗しょう症』 ~日常生活でのポイント~

author:輔仁薬局 新別府前店 薬剤師 内梨 雅子
published in:大分合同新聞平成22年8月掲載  No.82

骨粗しょう症とは骨の量(骨密度)が減って、骨がもろくなる病気です。現在、1000万人以上の方が骨粗しょう症と推計されており、人口の高齢化に伴いさらに増加すると考えられています。原因としては閉経に伴う女性ホルモンの低下や加齢によるものが大半ですが、栄養バランスの偏り、運動不足、他の病気や薬の影響、体質などが関与する場合もあります。骨粗しょう症で問題となるのが骨折で、それが原因で寝たきりになってしまうこともあるので、早期発見・早期治療により骨折を予防することが大切です。治療と予防のポイントとして次のようなことに心がけましょう。

【バランスのよい食事を。】

偏った食事や無理なダイエットをすると、丈夫な骨を作るための十分な栄養を補うことができません。カルシウム    (骨の材料になる)、ビタミンD(カルシウムの吸収を助ける)、タンパク質(カルシウムの吸収を助ける)ビタミ  ンK(カルシウムが骨に蓄えられるのを助ける)などを積極的にとり、バランスの良い食事に心がけましょう。

【適度な運動を】

体を動かして骨に力をかけることで骨密度を高めることができます。きつい運動は必要ありません。ウォーキングやストレッチなど、自分の体力や状態に合わせて毎日無理なく続けられるものが良いでしょう。また、日光は骨を強化するために必要なビタミンDの体内での合成を高める効果があります。適度な日光浴は骨の健康のためには必要です。

【お薬の正しい服用を】

骨粗しょう症と診断されたら、症状に応じてお薬が処方されます。お薬には、カルシウムやビタミンを補うもの、骨密度を高めるもの、女性ホルモンを補うものなどがあります。お薬の中には食事や他の薬の影響を受けたり、きちんと服用しないと十分な効果が得られないものもあるので、指示された用法・用量で正しく続けることが大切です。

【転ばない工夫を】

骨粗しょう症の場合、ちょっとしたつまづきや転倒でも骨折をしてしまうことがあります。家の中では段差にスロープをつける、滑りやすい場所では手すり・すべり止めをつける、足元を明るくするなど転ばない工夫をしましょう。

ただし、他の病気で治療中の方や食事制限のある方などは、注意が必要な場合もありますので治療にあたっては主治医と相談しましょう。

それではお大事に。

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