輔仁薬局

健康処方箋 column

輔仁薬局健康処方せん麦粒腫(ばくりゅうしゅ)

麦粒腫(ばくりゅうしゅ)

author:輔仁薬局 新別府前店 薬剤師 内梨 雅子
published in:大分合同新聞平成22年4月掲載  No.78

麦粒腫というと聞きなれない方も多いかもしれませんが、昔から「ものもらい」や「めいぼ」などと呼ばれていた、目の急性化膿性炎症の病気のことです。

麦粒腫は、まぶたにある脂(あぶら)の腺やまつ毛の毛穴に細菌が感染して起こります。主な症状は、まぶたの一部が赤く腫れ、まばたきをすると痛みや異物感がある、目の充血、目やにが出るなどですが、ひどい場合にはまぶた全体が腫れてしまうこともあります。目をこすって傷ができたり、体の抵抗力が落ちていたり、季節の変わり目などに発症しやすくなります。「ものもらい」というと人から人へ感染するかのようですが、原因菌の多くは、皮膚や髪、粘膜などごく身近に生息しているブドウ球菌ですので、この病気自体が他の人にうつることはまずありません。

治療には、抗生物質の目薬や軟膏、飲み薬を使いますが、膿(うみ)がたまって大きくなっている場合は、切開して膿を出すこともあります。汚れた手で目に触れると、治りが遅くなったり、再発してしまうので気をつけましょう。また、自分で膿をだそうと針でつつくのは大変危険ですので止めましょう。

日常では次のことに心がけましょう。

1.目をこすらないようにしましょう。

2.目の周りを清潔にしましょう。前髪が目にかかったり、汗や化粧が目に入ると麦粒腫ができやすくなります。また、顔にふれるタオルやシーツ、枕カバーは清潔なものを使って下さい。

3.十分な睡眠とバランスの取れた食事をとり、体に疲れをためないようにしましょう。

麦粒腫は、通常は膿が出れば数日で自然に治りますが、何度も繰り返す場合は、他の病気が隠れていたり、症状の似た他の病気の可能性もあります。目に違和感のあるときは、早めに眼科を受診しましょう。

それでは、お大事に。

一覧に戻る