薬局や病院にかかるのが初めてのとき、「現在、服用中のお薬はありますか?」との質問を受けられたことがおありでしょう。
そのときに、「他の病院にかかっていることや他の病気のことは知られたくない」「塗り薬だから飲み薬とは関係ない」「眼科と整形外科で薬が全く違うから言わなくていいだろう」などの理由で、つい答えなかったという方はおられますか。
これはとても大事なことなのですが、お薬には、名前や形は違っていても成分が同じものがあったり、内服薬と外用薬でも飲み合わせに注意しなければならないものもあります。ですから、現在服用中のお薬は、これらのことを知るための質問なので、ぜひ答えていただきたいのです。実際に、後になって、他のお薬を服用していることが分かり、飲み合わせの問題があって、お薬が変更や中止になったということがあります。こうなると、せっかくのお薬が期待したほどの効果が出ないばかりか、副作用のリスクが増えるといったことになりかねません。
また、飲み合わせはお薬同士だけでなく、お薬と市販の健康食品やビタミン類、嗜好品とでもあります。ですから、問題となる飲み合わせがないかどうかを、いろいろなものについてチェックすることが、お薬の有効性や安全性を高くすることにつながるのです。
お薬を処方してもらうときには、「そんなものを飲んでいるのか」と思われないかとか、「こんなサプリメントを飲んでいる」と言うのが恥ずかしいなどと思わずに、いろいろなお話を聞かせてください。そうすれば、あなたに合ったアドバイスが出来て、より安全でより効果的な薬物療法になるものと思います。またそのときに、「お薬手帳」やお薬の説明書などがあると、現在服用中のものが正確に分かりますので、とても助かります。
それでは、お大事に。