膀胱は尿を一時的にためる袋状の器官で、膀胱炎とは膀胱が炎症を起こした状態です。膀胱炎の原因として最も多いのが、細菌の感染によるものです。今回はこの細菌による膀胱炎についてお話します。
◆症状は…?
トイレが近い(頻尿)、尿が残っている感じがしてスッキリしない(残尿感)、排尿時に痛みがある(排尿痛)、尿が濁っている、血液が混じるなど。
◆原因は…?
原因菌として多いのは、大腸菌やブドウ球菌といった細菌です。女性の方が膀胱炎を起こしやすいのは、尿道が短い、尿道口が肛門や膣に近いなど、細菌が膀胱に侵入しやすいためです。通常は、体に抵抗力があるので炎症を起こすことはあまりありませんが、カゼを引いたり疲れやストレスがたまっていると、体の抵抗力が落ちて、炎症を起こしやすくなります。また、トイレを長時間ガマンしていると、膀胱の中で細菌が増殖しやすくなります。
◆治療は…?
細菌による膀胱炎の治療には一般的に抗菌剤を使います。通常は、数日間の服用で症状は改善しますが、お薬を途中で止めるとぶり返すことがあるので、抗菌剤は処方された日数分をしっかり飲むようにしましょう。また、水分をたくさんとって尿を増やし、膀胱中の細菌を体の外に出しやすくすることも大切です。
◆予防法は…?
予防の3大ポイントは、①膀胱に菌を入れない、②菌を増やさない、③体の抵抗力を落とさないことです。そのためには、清潔にする、トイレをガマンしない、水分をたくさんとる、下半身を冷やさないようにする、十分な休息をとる、バランスよい食事をする、無理なダイエットはしない、といった日常生活をこころがけましょう。
膀胱炎は、症状が軽くても放っておくと何度も繰り返したり、腎盂腎炎になることがあります。また、症状が似ていても細菌が原因でない場合や他の疾患の可能性もありますので、おかしいなと感じたら、早めに泌尿器科や産婦人科の専門医を受診しましょう。
それでは、お大事に。