老視とは、一般に言われる「老眼」のことで、加齢によってレンズの役割をする水晶体が硬くなったり、水晶体の厚みを調節する毛様体が衰えたりして、目のピントを近くに合わせることが難しくなってくる、目の老化現象の一つです。
四十代で症状を自覚することが多いのですが、早い方では三十代から自覚することもあるようです。「近視の人は老眼にならない」とよく言いますが、それは誤りで、誰にでも老視は起こります。遠方に焦点の合うことの多い遠視では、老視の症状をより早く気付くことが多いのですが、近視の方では元々近くに焦点が合いやすくて、老視の症状を気付きにくいため、このように言われるようです。
老視の矯正には近用眼鏡(老眼鏡)を使用します。老眼鏡にもさまざまな種類があり、次のように目的に応じて選ぶことができます。
① 近用専用のメガネ(単焦点レンズ)
② レンズの上方は遠くを見るための、下方は近くを見るための二重焦点レンズ
③ 中間距離も見えるようにした三重焦点レンズ
④ 遠方と近方の境界が目立たないよう、段階的に変化していく多重累進焦点レンズ
最近は、老視用のコンタクトレンズも販売されており、矯正方法の選択枝が増えてきています。それぞれ長所・短所があるので、自分の生活にあった適切なメガネを選ぶことが大切です。市販の老眼鏡もありますが、これでは乱視の矯正はされませんし、眼の左右のバランスが考慮されていないなどがあり、快適な近見視力が得られない場合がありますので、やはり自分に合った眼鏡を作製した方が良いでしょう。
また、視力の低下には他の病気が原因の場合もありますので、眼の検査・診察を受けて、老視以外に視力低下の原因がないかどうか確かめるようにすることも大切です。
それではお大事に。