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輔仁薬局健康処方せん過敏性腸症候群

過敏性腸症候群

author:輔仁薬局 日赤前店 薬剤師 後藤 順子
published in:大分合同新聞平成21年2月掲載  No.64

下痢や便秘を繰り返し起こすのに、胃腸の検査をしても、原因となる病気が見つからないことがあります。 「仕事や会議中におなかが痛くなる」、「通勤通学の電車やバスの中で腹部の不快感がある」、「便秘や下痢を繰り返す」などの症状がある場合、過敏性腸症候群である可能性があります。日本人に多く見られる病気で、症状によって次の3つに分けられます。

下痢型  ちょっとした緊張がきっかけで腹痛がおき、下痢や軟便が1日に何度も 起こります。

便秘型  腹痛や腹部の不快感があり、ウサギの糞のようなコロコロした便が出 ます。

交替型  下痢型と便秘型の症状を交互に繰り返します。

便通の異常以外にも、頭痛や吐き気、腹部膨満感やおならを伴い、多くは排便により軽快します。 過敏性腸症候群の原因としては、不規則な生活、精神的な緊張や不安、ストレスなどがあり、そのなかでもストレスは最大の原因であると考えられています。緊張や不安、ストレスなどが自律神経のバランスを崩し、その結果、腸が過敏になって腹部症状が出てしまいます。胃腸はストレスのダメージを受けやすい臓器なのです。また、女性は男性の3倍多く起こるといわれています。

過敏性腸症候群の主な治療法としては、生活習慣と食事の改善、薬物療法などですが、生活習慣を見直し、ストレスをためないことが最も大切です。お薬には、腸の運動を正常に戻し、下痢や便秘を和らげる薬、自律神経の失調を正常にする薬、不安感や緊張、ストレスを和らげる薬などがあります。

症状が似ていても過敏性腸症候群以外の病気の可能性もありますので、症状のある方は、消化器科等を受診して、きちんと診てもらいましょう。

それでは、お大事に。

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