輔仁薬局

健康処方箋 column

輔仁薬局健康処方せん新しい禁煙治療

新しい禁煙治療

author:こがづる調剤薬局 薬剤師 堤 喜代明
published in:大分合同新聞平成20年11月掲載  No.61

最近、禁煙治療が変わってきています。内服の禁煙補助薬が医療用として使用できるようになり、医療用しかなかったニコチン貼付剤が市販されるなど、禁煙治療の選択肢が増えました。現在、禁煙治療は大きく分けて次の三種類の方法があります。

1.ニコチンガム

ニコチンを含むガムを噛み、ニコチン量を徐々に減らして禁煙を達成する方法です。ニコチン量を細かく調節でき、口寂しさを補うこともできます。短時間で作用が現れるので突然の喫煙欲求に対応できますが、ニコチンを含むため心疾患など使用できないケースもあります。

2.ニコチン貼付剤

ニコチンを含むパッチを皮膚に貼る方法。医療用と市販品の両方があります。作用が現れるのに時間がかかり、急な喫煙欲求には対処できません。皮膚刺激もあり、かぶれなどが起こることもあります。

3.内服薬

成分はニコチンではなく、ニコチンが作用する部分をこのお薬が遮断することで、効果を示します。禁煙時の禁断症状を軽減したり、喫煙した時の満足感を少なくする効果も期待できます。ガムや貼付剤は禁煙開始の日から使用しますが、これは禁煙開始日の1週間前から服用を始め、体内の薬剤量を一定にしてから禁煙を開始します。服用開始期間中に喫煙しても、「タバコがおいしい」という感じが減り、2週目からの実際の禁煙開始においても、苦痛が減り、禁煙がしやすくなります。体が薬剤に慣れるまでは吐き気などの副作用が起こることがあります。

ニコチン依存症と診断された方は保険で禁煙治療を受けられますが、受診する前に、その病医院で保険で禁煙治療が行えるかどうかを確認してください。禁煙補助薬は、あくまでも、ニコチン離脱症状の軽減など禁煙の補助であり、やはり本人の意志が最も大切です。禁煙しようという強い気持ちを持って治療に臨んでください。

それでは、お大事に。

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