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健康処方箋 column

輔仁薬局健康処方せん紫外線の悪影響について

紫外線の悪影響について

author:輔仁薬局 日赤前店 薬剤師 後藤 順子
published in:大分合同新聞平成20年6月掲載  No.56

ひと昔前までは日焼けした小麦色の肌が健康的に見られ、日光浴は体にいいと言われ、母子手帳でも日光浴がすすめられていました。しかし、今では紫外線による健康への悪影響の方が心配され、紫外線から体を守る必要性が叫ばれています。母子手帳からも日光浴をすすめる記述はなくなりました。

紫外線は、英語でウルトラ・バイオレット(UV)といいますが、波長の長さの順に、UVA、UVB、UVCの3種に分けられます。このうちUVCは大気等に吸収されて地上にはほとんど届かないので、体に影響のある紫外線は、UVAとUVBの2種類です。

UVAは、肌の奥の皮下組織にまで到達し、シワやタルミなどの肌の老化を引き起こします。UVBは、肌の表面に赤い日焼けを起こし、シミやソバカスなどの原因になります。また、UVBは遺伝子を傷つけやすく、浴びる量が多くなると、皮膚の突然変異を生じる可能性があります。特に乳幼児期は細胞分裂が盛んなので、この時期に多くの紫外線を浴びていると、中高年になってから皮膚がんになる危険性が高くなります。さらには眼にも影響を及ぼし、角膜炎、翼状片、白内障などの原因になると言われています。

紫外線の量は、時刻や季節、天候などによって大きく変わります。一日のうちでは正午前後が最も多くなり、一年のうちでは5~8月が多くなります。また、登山や海水浴、スキーなどでも多くの紫外線を浴びる危険性があります。今からの季節は、1年のうちで最も紫外線量の多い季節です。しっかりと紫外線を防ぐ対策をしましょう。

それでは、お大事に。

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