逆流性食道炎は、胃の内容物(主に胃酸)が食道に逆流しておこる食道の炎症です。食道は、胃と違って胃酸を防御する働きがないため、胃酸が逆流すると炎症がおきやすいのです。
原因としては、食道と胃のつなぎ目がゆるんで拡がりやすくなっている、胃腸の動きが鈍くなっている、胃酸の分泌量が多い、お腹を圧迫している、といったことがあげられます。
逆流性食道炎の予防や治療としては、次のような生活習慣の改善や、お薬の服用が基本となります。
1.食事に気をつけましょう。
食べすぎ、飲みすぎは胃酸の分泌を増やすとともに、胃を圧迫して逆流をおこしやすくします。すっぱいもの、コーヒー、お酒、香辛料などは胃酸の分泌を促し、また、脂肪の多いものや、消化の悪いものは胃内の停滞時間が長くなるので、控えめにしましょう。
2.姿勢に気をつけましょう。
食べてすぐ横にならないようにしましょう。寝る時は上体を少し高くすることも効果的です。お腹を圧迫するような体勢(前かがみ、重いものを抱えるなど)はできるだけ避けましょう。また、コルセットやベルトでお腹を強く締めつけないようにしましょう。
3.お薬は正しく服用しましょう。
逆流性食道炎では、胃酸を抑えるお薬や胃腸の動きを改善するお薬、粘膜を保護するお薬などを使います。症状が改善しても勝手に止めるとぶり返すこともあるので、指示通りきちんと服用することが大切です。
逆流性食道炎は、放っておくと潰瘍ができて出血や狭窄につながることもあります。胸焼けやむかつき、すっぱい(苦い)水が上がってくるような感じ、のどの違和感(イガイガ、つかえる感じなど)が続く場合は、早めの受診をお勧めします。
それではお大事に。