積極的休養という言葉を聞いたことがありますか。これはスポーツトレーニングでよく使われる言葉です。試合後や練習後にクールダウンやリカバリートレーニングといった軽めの運動をすることで、疲労の蓄積を防ぎ、回復速度を速める方法です。
筋肉疲労が起こったときにただそのまま休養するよりも、軽い運動やストレッチ、アイシングなどを行うと、筋肉の伸縮によるポンプ作用で、乳酸などの疲労物質が排出され、新陳代謝も高まって、筋肉疲労はより速く回復します。疲れたときに逆に体を動かし、体の再生能力を効率的に使って行う疲労回復法。これが「積極的休養」です。
積極的休養は、日常の疲れにも応用できます。デスクワークなど長時間同じ姿勢をとり続けるような作業では、全身の血行が悪くなって筋肉がこり固まり、乳酸がたまってしまいます。このようなときにも軽い運動やストレッチをすることで、乳酸を追い出し、疲労回復をすることができます。
積極的休養として最も効果的なエクササイズは、有酸素運動です。ウォーキングや水泳、軽いジョギングなどです。これらの運動は全身の筋肉を動かすので、血液循環がよくなります。ただし、過剰な運動では血中の乳酸が増えるので、全力の30~40%程度、少し息が上がるくらいの軽めの力で行うとよいでしょう。トレーニングではないので、ハードにやりすぎないよう注意しましょう。
運動の前後には、筋肉の硬さをほぐし、血行をよくして疲労回復に役立つストレッチとマッサージも忘れずに行いましょう。筋肉のコリや緊張が和らぐことで精神的にもリラックスできます。とくにストレッチには運動神経などの興奮を抑えて疲労感を軽くする効果があります。運動する時間のない方は、ストレッチだけでも疲労回復に効果があります。
それでは、お大事に。