患者様より、「妊娠していますが、このお薬を飲んでも大丈夫ですか。」というご質問を受けることがあります。妊娠中にお薬を飲む場合や飲んだ後で妊娠に気がついた場合、胎児への影響がないか不安になる方は多いことでしょう。
母親が飲んだお薬の胎児への影響は、妊娠週数、お薬の胎盤通過性、母体の体質などで異なり、一定ではありません。注意が必要な妊娠時期やお薬もありますし、ほとんど心配する必要のない妊娠時期やお薬もあります。また、ビタミンAのように、適量の摂取は必要ですが、過度の摂取は危険なものもあります。
お薬は飲まないにこしたことはありませんが、だからといって、いたずらに不安がるのも考えものです。お薬を飲まないと病気が悪化し、かえって胎児に影響する場合もあります。大事なことは、できるだけ安全性の高い、治療に必要な最低限度のお薬を正しく使用することです。ですから、医療機関を受診するときは、妊娠している方あるいは妊娠する可能性のある方は、必ずそれを伝えるようにしましょう。医師が、妊娠の時期、治療の必要性、お薬の安全性などを総合的に判断し、必要なお薬を処方してくれます。
また、お薬を飲んだ後で不安になって、医師、薬剤師に相談するときは、市販薬も含めて、何の治療で、どんなお薬を、いつ頃、どれくらい飲んだのかを伝えて下さい。そのためには、日頃からお薬手帳などに飲んだ薬などを記録しておくようにしましょう。
それでは、お大事に。