漢方薬はいくつもの生薬(しょうやく)を組み合わせて作られています。もともとはその生薬を主に煎じて飲んでいたのですが、今は煎じ薬を乾燥させたエキス剤がありますので、煎じる手間がはぶけて大変便利になりました。
ところで、漢方薬は「すぐには効かない」とか「副作用がない」と思っていませんか。そんなことはありません。すぐに効くものもありますし、副作用に注意が必要なこともあります。確かに、漢方薬の中には効果が現れるまでに時間のかかるものがあります。しかし、その一方で、カゼなどのような急な病気にもしばしば漢方薬が使われています。急性の病気に対応するものもたくさん用意されているのです。
漢方薬が効かないと感じている方は、その飲み方に原因がある場合があります。一般的には、薬が吸収されやすく、効く場所に早く届くようにするためには、エキス剤はコップ一杯分の白湯(さゆ)に溶かしてから飲むことをお勧めしますが、体を冷やす漢方薬の場合や吐き気のある場合は水で飲む方がよいでしょう。また、医師から特別な指示がない限り、食前や食間に飲んで下さい。
ジュース、牛乳、ミルクなどと一緒に飲むのはお勧めできません。また、ビールと一緒に飲むという豪傑(?)もたまにいらっしゃいますが、それもよくありません。やはり、白湯か水と一緒に飲むようにしましょう。
その人の体質やその時の状態に合わなければ、下痢したり具合が悪くなるなどの副作用が出ることがあります。ただし、薬の効きはじめにもお腹がゆるくなることがありますので、自分だけで判断せずに医師に症状をきちんと伝えて相談しましょう。
一度にたくさんの量を飲んだり、何種類も併用して、同じ成分をとり過ぎた結果、むくみ、だるさなどが出ることもあります。また、まれにですが発疹などのアレルギーを起こすこともあります。
今回は漢方薬の一端をご紹介しました。
それでは、お大事に。