患者様から薬の飲み合わせや飲食物との食べ合わせについてのご質問をよく受けます。たとえば、「このお薬は、普段飲んでいるお薬と一緒に飲んでも大丈夫ですか?」とか 「お茶で飲んでもよいですか?」など、さまざまです。
最近は、乳製品や納豆、グレープフルーツなどとお薬との食べ合わせのご質問が増えています。飲み合わせや食べ合わせがあると、お薬の作用が必要以上に強く現れて副作用を起こしたり、その逆に期待する効果が十分に得られないことがあります。
◆どうして、飲み合わせが起こるのでしょうか。
多くのお薬は、小腸から吸収され、肝臓を通って、血液によって運ばれ全身に行き渡り効果が出ます。その後、主に肝臓で代謝されて効果を失ったり、腎臓から排泄されたりしま す。これらの過程のどこかで、お薬が他の成分の影響を受けると飲み合わせが生じることがあります。この他にも複雑なメカニズムがあり、飲み合わせは実はさまざまな仕組みで起こ るのです。
◆飲み合わせを防ぐためにはどうすればよいでしょうか。
時間をずらして飲むことで飲み合わせが防げる場合もありますが、それは限られたお薬同士でしか使えない手段です。だからといって、自己判断で止めてしまうと、本来行うべき治療ができなくなる場合があります。問題となる飲み合わせがないかどうか、嗜好品や健康食品等も含めチェックしてもらいましょう。
飲み合わせのチェックを受けられる際、使用しているお薬の名前がわかるようにしておいて下さい。お薬そのものか、お薬の内容が書かれた用紙を持参しましょう。「お薬手帳」をご利用になると確実で便利です。
それでは、お大事に。