喘息(ぜんそく)が気道の炎症によって引き起こされていることをご存知ですか。喘息は気道の慢性的な炎症です。ダニやホコリ等のアレルゲン、かぜのウイルスやストレスなどいろいろな刺激により、炎症が起こったり、増悪したりします。
最近の喘息の治療は、発作の予防を重点にし、吸入薬が中心になってきました。吸入薬の良いところは、薬剤が直接、気道に届いて作用するので、飲み薬より少ない量ですむこと、また、全身への副作用も少なくてすむことです。喘息の治療薬としての吸入薬は、大きく次の2つに分けられます。
①炎症を治療し、発作を起こさないようにする予防のための薬
ステロイドや抗アレルギー薬などがあります。発作のない状態を維持するため、毎日きちんと吸入することが大切です。
②発作が起きた時に発作を和らげるための薬
短時間作用型のβ(ベータ)刺激薬や抗コリン薬などの気管支拡張剤といった薬ですが、発作がある時だけ使用します。ただし、心臓へ負担がかかるため使いすぎは禁物です。
予防薬と発作止めを一緒に使う場合は、まず気管支拡張薬を使い、その後に予防薬を使うと気管支が広がっているため、薬が行き届きやすく効果的です。また、副作用を防ぐために、吸入後は必ずうがいをして口内に残った余分な薬を洗い流してください。 吸入器には、微粉末の薬剤を吸うドライパウダー式と、薬液を噴霧器で霧状にして吸入するエアゾール式があります。どちらにしても正しく吸入しなければ効果がないので、吸入法についてきちんと理解しておく必要があります。
喘息はひどい発作を起こすと命にかかわる病気です。調子がいいからといって途中で中断しないようにしましょう。
それでは、お大事に。