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健康処方箋 column

輔仁薬局健康処方せん『小松菜』の魅力

『小松菜』の魅力

author:輔仁グループ本部 管理栄養士 矢野恵美
published in:大分合同新聞平成26年12月掲載  No.108

今回はこれからが旬の野菜『小松菜』の魅力を紹介します。

北欧より中国を経て日本へ伝わったとされ、江戸時代には主に東京で栽培されていました。時の将軍徳川吉宗が鷹狩りに行った際にすまし汁に入っていた名前のない菜を気に入り、近くの村に流れている川の名前をとって“小松菜“とされたのが由来といわれています。

小松菜の栄養素としては、まず粘膜や皮膚を強化して風邪の予防効果のあるビタミンAやがん物質の作用を弱めるビタミンC、細胞の老化を促す過酸化物質を抑えるビタミンEと、老化を防ぐ3大ビタミンが含まれています。また、同じ葉物野菜であるほうれん草に比べ、鉄分は100g中(約半束)でほうれん草の1.4倍、カルシウムはなんと3.4倍も多く含まれています。これは1日の必要量の約1/3量になります。

レンジで2分ほど加熱したりするだけでおいしく食べられます。カルシウムはビタミンDと一緒に摂ると吸収されやすくなるのできのこ類と炒めたり、干ししいたけと煮浸しにしたりして食べることをお勧めします。

余談ですが、大根やごぼうなどに「すが入る」という言葉を耳にしたことはありませんか。これは収穫が遅れたことにより野菜が熟れすぎ、内側がスカスカになってしまう現象です。つまり“野菜の老化”なのです。この時の“す”は漢字に当てはめると“鬆”となります。この漢字は皆さんもよく聞く『骨粗鬆症(こつそしょうしょう)』に使われています。骨粗鬆症は骨からカルシウムが溶け出してスカスカになる現象で、ひどいときはちょっとつまずくだけでも骨折しやすくなります。主に高齢者に起こりやすいとされていましたが、現在は無理なダイエットなどで若者にも多くみられているようです。骨粗鬆症を予防するには十分な骨密度を保つこと。この冬は食卓に小松菜料理を一品添えてみるのもいいかもしれませんね。小松菜はビタミンKも豊富です。ワルファリン服用の方は、ビタミンKを多く含む緑黄色野菜を一時的に大量摂取すると、薬の効果を弱くすることがあります。バランスを考えた通常の食事量であれば問題はありません。

それでは、お大事に。

 

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