じめじめした梅雨も明けると、暑い夏がやってきますね。夏と言えば、子供達は学校でプールが始まります。 そこで今回は、これからの時季の子供の中耳炎についてお話をします。
時々、耳の中に水が入って中耳炎を引き起こすと思われている方がいらっしゃいますが、健康な耳に水が入っても中耳炎にかかることはありません。中耳は耳管(じかん)と言われる管で鼻の奥とつながっており、この管を通じて細菌が侵入して中耳炎にかかるのです。特に子供の耳管は十分な長さがなく、また角度も水平に近いため、風邪や鼻水・鼻づまりをきっかけに細菌が侵入して中耳炎にかかりやすいとされています。
中耳炎は冬や季節の変わり目等の風邪や鼻の調子が悪くなりやすい時季に多いのですが、これからの時季ではプールや過度のエアコンの使用で体を冷やしてしまい、風邪をひいたり鼻の調子が悪くなったりして中耳炎にかかることもあります。エアコンの温度設定はついつい大人目線で低めになりがちですが、子供目線の優しい設定にしてあげるのも対策のひとつです。
症状のピークは概ね一週間程度ですが、痛みが落ち着いたからと言って治ったわけではありません。完治するまでには少し時間がかかってしまうことが多いようです。中耳炎を起こしている時の鼻の粘膜はバリア機能が低下しているため、プールの水に含まれる塩素などの影響を受け、鼻の粘膜が腫れて中耳炎が治りにくくなります。また、プールで体を冷やし風邪を悪化させると中耳炎も悪化しますので、プールに入るのは必ず医師の承諾が出てからにしましょう。夏の時季にプールに入れないのは子供にとっては悲しいことでしょうが、きちんと理由を説明して完全に治ってからプールを楽しみましょう。
それでは、お大事に。