24時間型の生活習慣による生活リズムの乱れや最近のストレスに満ちた社会を反映してか、不眠に悩まされる人が増えています。厚生労働省の調査では、日本人の5人に1人が何らかの睡眠障害で悩んでいるとのことです。
不眠には、大きく分けて「入眠障害(寝つきが悪い)」「熟眠障害(眠りが浅い)」「中途覚醒(何回も目がさめる)」「早朝覚醒(夜明け前に目がさめる)」の4タイプがあります。医師は、これらの症状に合わせて、効果の強い薬や弱い薬、効果が長時間続く薬や短時間の薬などを処方します。ですから、自分の症状に合った薬を処方してもらうためには、どんな症状の不眠なのかや自分で思い当たる眠れない原因などをきちんと医師に伝えることが大切です。
現在使われている睡眠導入剤の多くは、ベンゾジアゼピン系の薬剤です。これらの薬は、医師の指導に従い正しく服用すれば、習慣性や続けて服用しても薬が効きにくくなることがあまりないと言われています。また、自然な眠りに近いのもこの薬の特徴です。効果は、服用後20~30分で出始めます。そのため、眠る予定の30分位前に飲むのがよいでしょう。
眠れるようになれば服用を控えるのが理想的ですが、しばらく続けていた薬を急にやめると、その反動で以前よりも眠れなくなることがあります。自己判断で勝手にやめたりせずに、医師の指導に従って徐々に減らしていくことが大切です。起床後に眠気が強く続く場合は、薬の量が多かったり、服用の時間が遅すぎたりなどが考えられますので、医師、薬剤師にご相談ください。
お酒と一緒に薬を服用すると、両方の効果が強くなり、翌朝に眠気やだるさを感じることがありますので、アルコールは控えましょう。また、薬をのんだ後での車の運転や機械の操作は、たいへん危険ですので絶対にしないで下さい。
それでは、お大事に。