「家に残っている薬を飲んでもいいですか？」というご質問をよく受けます。飲み忘れや飲み間違い、自己判断で飲まなかったなどでお薬が残ってしまったようです。
では、急にお腹が痛くなったとき、以前に「痛み止め」としてもらった薬が残っていたら飲んでもいいでしょうか。実は、「痛み止め」の薬と一口にいっても、その中には解熱鎮痛薬、鎮痙剤、オピオイド剤などさまざまなものがあるのです。これらの中には胃を荒らす恐れのある薬があり、これを胃の具合が悪くて腹痛が起きているときに飲めば、かえって症状が悪くなるかもしれません。
残ったお薬を飲むときには、一般に次のようなことに注意が必要です。
◇薬の成分が変質していないか。
◇使用期限が切れていないか。
◇処方された本人以外の人が飲んでも、効果がない場合や思わぬ副作用が起こる場合がある。
◇同じ症状に見えても、別の病気のことがある。自己判断だけで薬を飲むのは危険な場合がある。
◇症状だけを抑える薬は、病気の根本治療にならず、かえって悪化する場合がある。
◇大人は使えるが、小児には使えないお薬がある。
残ったお薬を飲む前に、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。そのときに、お薬の名前、いつもらったのか、どんな目的でもらったのかなどをきちんと伝えてください。お手元にお薬手帳やお薬の説明書があるとわかりやすく便利です。上手に利用しましょう。
それでは、お大事に。