緑内障は、網膜に映った像を脳に送る視神経が障害を受けて、視野が狭くなる病気です。病状が進行すると失明することもあります。視神経が障害を受ける主な原因は、眼圧の上昇です。目の中には、栄養などを運ぶ房水とよばれる液体が流れていて、眼圧は、この房水の産生量が多すぎたり、目の外への排出が滞ると上昇してしまいます。
緑内障は、眼圧が高くなる原因によって、原発緑内障、続発緑内障、発達緑内障に分けられ、さらに、房水を排出する場所にあたる隅角(ぐうかく)という所の広狭で、開放隅角緑内障(隅角は広く正常だが、房水排出が障害される)と閉塞隅角緑内障(隅角が狭くなって房水排出が障害される)に分けられます。また、眼圧が正常でも視野が欠けてしまう正常眼圧緑内障もあり、日本人では緑内障患者の多くを占めています。
緑内障の治療薬としては、房水の産生量を減らしたり、房水の流れを良くすることで眼圧を下げる薬が使われます。点眼薬を主に用いますが、内服薬を併用することもあります。治療薬のうち、主に点眼で用いられるβ遮断薬という薬は、徐脈や喘息の悪化などを引き起こすことがあるので、心臓に疾患のある方や喘息の方では注意が必要です。逆に、他の病気の治療薬の中には、緑内障を悪化させる可能性のある薬があるので、これにも注意が必要です。
同じ診療科の薬であれば、こうした影響を事前に防止しやすいのですが、複数の病院にかかっている場合には、本人の申告がなければ見過ごされる可能性があります。眼科は目薬だけだから影響はないだろうと自己判断せずに、他の病院を受診した際には必ず使用している薬や緑内障(手術の有無も含めて)であることを医師及び薬剤師に伝えるようにしましょう。
それでは、お大事に。