胃腸薬とは胃や腸の調子を整える薬のことです。一口に胃腸薬、胃薬といっても、その中には健胃薬や制酸薬、整腸薬などたくさんの種類がありますので、症状や用途に応じた使い分けが必要です。胃腸薬なら何でもいいというわけではありません。たとえば、同じ胃薬でも胃の運動を活発にさせるものと反対に胃の運動を抑えるものがあり、これらを一緒に飲んでしまって期待した効果が得られなかったり、また、胃酸が出過ぎて胸やけがするのに、胃の活動を促す薬を飲めば、かえって症状が悪化することも考えられます。
以下は主な胃腸薬の種類と効能です。
◆健胃薬 胃液の分泌を促し、胃の運動を活発にします。食欲不振、胸やけ、もたれなどに。
◆消化薬 胃のもたれ等の消化不良時に、消化を助けます。
◆制酸剤 出すぎた胃酸を中和し、胃酸過多による胸やけや胃の痛みを和らげます。
◆H2ブロッカー 胃酸の過剰な分泌を抑えて胃酸から胃粘膜を保護します。
◆胃粘膜保護剤 過剰な胃酸から胃の粘膜のダメージを抑制します。
◆鎮痛鎮痙剤 胃腸の過度の運動や緊張を緩めて痛みを和らげます。
◆便秘薬 腸の動きを活発にしたり、便の水分量を増やしたりして排便を促します。
◆整腸剤 腸内の善玉菌を増やすなどして腸の働きを整え、便通を改善します。
市販の胃腸薬は、これらをいくつか配合した「総合胃腸薬」と呼ばれるものが多いようです。市販薬の購入時には薬剤師に相談等して、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
ただし、「激しい痛みが続く」「症状が長く続く」「吐き気が繰り返す」「便に血が混じる」「便が黒くなる」などの症状があれば、単なる胃腸のトラブルだけでなく、もっと重い病気や他の病気の可能性がありますので、早めに医師の診察を受けましょう。
それでは、お大事に。