健康意識が高まる中、様々なスポーツに取り組んでいる方は多いと思います。
皆さんは「ドーピング」という言葉をご存知でしょうか。オリンピック等で耳にしたことはあると思いますが、ドーピングとは「スポーツにおいて禁止されている物質や方法により能力を高め、意図的に自分だけが優位に立ち勝利を得ようとする行為とそれらの使用を隠す行為」です。
またドーピングは意図せず起こることもあります。これを「うっかりドーピング」と言います。例えば、一部の総合感冒薬、鼻炎の薬にはエフェドリン、プソイドエフェドリンなどの成分が含まれています。この成分には咳や鼻の症状を緩和するなどの効果がありますが、ドーピングの禁止物質として指定されています。では、漢方薬はどうでしょうか。自然由来の成分なので“なんとなく安心”というイメージがあるかもしれません。しかし、漢方薬は様々な生薬で構成されているため成分の正確な把握が難しく、前述したエフェドリン等の禁止物質を含む漢方薬も存在します。
また、健康のために取り寄せたサプリメントやプロテインにも同様に禁止物質が含まれている場合もあります。故意に禁止物質を使用していなくとも、ドーピング検査で陽性になると成績の抹消や資格停止などの厳しい処分を受けることになります。
「うっかりドーピング」とならないためにも普段から禁止物質などの確認は重要です。薬剤師の中には「スポーツファーマシスト」としてアンチ・ドーピング活動(ドーピング行為に反対し、スポーツがスポーツとして成り立つための、教育・啓発といった様々な活動)を行っているものがいます。アンチ・ドーピング認証を受けているサプリメントやプロテインを選ぶ際や、治療上必要な場合なら使用できる禁止物質の手続きの方法がわからない場合等わからないことは相談しましょう。
正しく薬やサプリメントを使用して、より楽しいスポーツ生活を送ってください。
それではお大事に。