輔仁薬局

健康処方箋 column

輔仁薬局健康処方せん「ポリファーマシー」

「ポリファーマシー」

author:輔仁薬局 日赤前店 薬剤師 村山 雄亮
published in:大分合同新聞令和3年10月掲載  No.149

処方された薬の種類が多く、飲み忘れたり飲み間違えたりすることはありませんか。高齢の患者さんほど薬の種類や数が多くなります。多くの薬を使うことにより健康被害を引き起こしたり、飲み忘れや飲み間違いが増えたりする状態を「ポリファーマシー」といいます。何剤からポリファーマシーとするかについて厳密な定義はないのですが、6種類以上が特に薬物有害事象の発生増加に関連したというデータもあります。また使用する薬も多いことから国民医療費増大の一因にもなっています。

なぜポリファーマシーが起こるのでしょうか。原因はいろいろありますが、その1つに「処方カスケード」があります。これは処方薬による副作用に対し、その副作用を改善するための処方薬が増えていくことです。最初の処方薬の変更や中止で治まる症状が、薬が増える悪循環に陥ります。

それでは処方カスケードによるポリファーマシーを解消するためには、どうすればよいのでしょうか。解消するための方法の一つとして、かかりつけ薬局やかかりつけ薬剤師に調剤と薬品情報をまとめて管理してもらうことです。それが出来ない場合はお薬手帳を利用しましょう。複数の医療機関を受診して複数の薬局でお薬をもらう場合は、お薬手帳を医師や薬剤師に見せることによって、副作用や薬の重複等を未然に回避できます。また、患者さんが使用しているOTC医薬品やサプリメントを、お薬手帳に書き込むことで相互作用による健康被害を防止できます。もしも複数のお薬手帳をお持ちの場合は、一冊にまとめましょう。

その他にも、薬の飲み間違い飲み忘れを防ぐために、用法ごとに飲む薬をまとめた一包化や服薬カレンダーなどがあります。今お持ちの薬について何か聞きたいことがあれば、ご相談ください。

それではお大事に。

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