寒さの続くこの季節、注意したいのが高血圧です。寒くなると体温を逃がさないようにするため、血管が収縮し血圧が上がります。特に暖かい部屋から寒い屋外に出た場合などは、温度の変化により急激に血圧が上がってしまいます。高血圧自体は自覚症状が少ないので気付きにくいのですが、血圧の高い状態が続くと血管に負担がかかることで動脈硬化が進行し、心疾患や脳血管疾患の原因になります。さらに、寒さによる急激な血圧の上昇は、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす危険性を高めてしまいます。
血圧の高い方はもちろんですが、血圧が正常な方も、普段の生活で次のポイントを意識してみてはいかがでしょうか。
寒さによる高血圧を予防するポイントは、「温度の変化を小さくする」ことです。
①外出時は、上着やマフラー、手袋を着けるなど暖かい服装をしましょう。
②室内であっても普段の居室と、トイレ、廊下などの温度差を小さくするために、暖房器具や服装で調節しましょう。また、夜間にトイレに行く時や朝起きた時のために、上から羽織れるものやスリッパを準備しておくとよいでしょう。
③入浴時は、脱衣所や浴室を暖めておくとよいです。また、「温度の変化を小さくする」ために、熱いお湯での長湯は避け、38~40度くらいのお湯に5~10分つかる程度がよいでしょう。
今回は「寒さによる高血圧」にポイントを絞ってお話ししましたが、高血圧の予防には、「腹八分目でバランスの良い食事」、「塩分を摂りすぎない」、「適度な運動」、「肥満の予防」、「ストレスをためない」などの日常生活での注意も大切です。また、日頃から血圧を測る習慣をつけて、自分の血圧を把握しておくこともよいことです。「血圧が高めかな?」と感じた場合は、放っておかずに専門医に相談しましょう。
それではお大事に。