輔仁薬局

健康処方箋 column

肩こり

author:輔仁薬局日赤前店 薬剤師 後藤順子
published in:大分合同新聞平成25年10月掲載  No.101

年齢や性別を問わず、多くの人が悩まされている肩こり。人間は二足歩行なので、もともと肩こりを生じやすいからだの構造をしていますが、4~5キロもある人間の重い頭を支えているのが、首と肩です。そのため首と肩のまわりの筋肉は、姿勢を保つよう、絶えず緊張しています。緊張が続くと筋肉に疲労物質がたまり、かたくなってしまいます。それが血管を圧迫して血液の流れを悪くしたり、末しょう神経を傷つけたりして、「こり」を起こします。血行が悪くなることで筋肉に十分な酸素や栄養がいきわたらず、筋肉にたまった疲労物質を排出できなくなり、ますます筋肉がかたくなるという悪循環を繰り返してしまいます。

肩こりの原因は人によってさまざまですが、そのほとんどはふだんの生活習慣にあります。重い荷物や、かばんをいつも同じ肩にかけている。車の運転や、デスクワークで同じ姿勢を続けている。冷房のきいた部屋に長時間いて体が冷える。姿勢が悪い。他にも目の疲れや精神的なストレスが原因となることがあります。ただ、なかなか治らない、逆に悪くなったり、めまいや頭痛を伴ったりする場合は、他の病気が原因であることも考えられるので、たかが肩こりと安易に考えずに病院を受診してください。

肩こりが起こったら、まず体を温め、血行をよくしましょう。蒸しタオルや温湿布などで首や肩を直接温めるのはとても効果的です。ゆっくり入浴して、からだ全体を温めてリラックスし疲れをとるのもいい方法です。ただし、温めるのは慢性の肩こりの場合。寝違えたり、むち打ちでいたむ場合は逆に温めてはいけないので注意して下さい。また、肩こりを和らげる体操もあります。

肩こりを予防するには、根本原因である生活習慣を見直すことが第一です。背筋を伸ばし、正しい姿勢を保つよう意識しましょう。同じ姿勢を続けるときは、こまめに休憩して首を回したり、手足を動かしたりして緊張をほぐしましょう。毎日の生活に適度な運動を取り入れ、肩こりを起こしにくいからだづくりを心がけましょう。

それでは、お大事に。

 

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