今回は夏バテ解消にうってつけの食材、『にがうり』についてご紹介します。
ゴーヤー、ツルレイシとも呼ばれる『にがうり』は、熱帯アジアが原産で、日本では沖縄や九州南部などでよく栽培されています。近頃では家庭や学校等での栽培も見かけるようになりました。建物の緑化により室内や地面の温度上昇を抑える働きがあり、エコライフにも一役買っています。
『にがうり』と言えば独特の苦みがあるのが特徴ですが、これはウリ科植物に特有の「ククルビタシン」によるものです。加えて、「モモルデシン」という苦み成分も含まれている為、『にがうり』は他のウリ科植物と比べて苦みが強いとされています。この「モモルデシン」には、胃液の分泌を促して食欲を増進させるだけでなく、肝機能向上や血糖降下作用があると言われています。外見の色から緑黄色野菜と思われがちですが、β‐カロテンが意外と少なく淡色野菜に分類されます。しかしビタミンCは非常に多く、緑黄色野菜に匹敵します。ビタミンCはシミやソバカスの元となるメラニン色素の生成を予防するほか、肌にハリや弾力を与えるコラーゲンの生成にも欠かせません。免疫力を高める働きもあります。
『にがうり』の苦みの強さは、種類や栽培方法などにより異なります。特に白いわたと種の部分の苦みが強い為、調理する時はわたと種を丁寧に取り除くことがポイントです。と、今まで本やテレビで言われてきましたが、最近ではわたや種の部分は果皮と比べて苦味は弱く、取り除かなくても食べることができるのだそうです。果皮の部分の苦味を和らげる方法としては、薄く切る・水にさらす・塩もみする・塩ゆでする・多めの油で炒める等の方法があります。豆腐と卵を炒めてゴーヤーチャンプルーにしたり、煮物、天ぷらやフライ、和え物や酢の物、生のままミキサーにかけてジュースにしたりするなど、色々な調理法が楽しめます。
一つの食品に偏ることなく、様々な種類の食品を取り入れ、旬の食材をおいしくいただきましょう。規則正しい生活、バランスの良い食事、適度な運動と、十分な休養・睡眠が基本です。
それではお大事に。